無定期短編連載ちょっと妄想シリーズ 
『コメット歯医者へ行く』

藤吉家にいつもの朝がきた。

パパ  :「藤吉家王国憲法第23条、ごはんはみんなで食べましょう!」
コメット&ツヨシ:「は〜い!」
ママ  :「あれ?ネネちゃん元気ないわね!?」
コメット:「ネネちゃんどうしたの?」
ネネ  :「ネネちゃん、お口の中痛いの、」
ツヨシ :「ネネちゃんのお口の中虫歯さんだ!」
ママ  :「え、ホント!?ネネちゃんお口あけて見せて!大変、
      虫歯さんがいるわ、歯医者さんに行かなきゃ!!」
コメット:「私がネネちゃんを歯医者さんにつれてって行きます。」
ネネ  :「ネネちゃん歯医者さんコワイよ、歯医者さん行きたくないよ、
      歯を抜かれちゃうよ!」
コメット:「そういえば、お母様も地球のお世話になった歯医者さんで
      奥歯抜かれたって話してたっけ!」
ネネ  :「コメットさん、歯を星力で治せないかな?」
コメット:「そうゆうのは直接病院ビトさんか、歯科ビトさんに
      見てもらわないと治らないよ!」
ツヨシ :「ツヨシくん強いから、こないだ歯を治してもらったもんね!」
パパ  :「そうだぞネネ!藤吉家王国憲法第??条、家族みんな健康第一!!」
ママ  :「コメットさんお願いしてもらっていいかしら?そういえば
      コメットさんも歯が引っかかるって言ってたわね!
      いっしょに診察してもらった方がいいわ。」
コメット:「はあ、はい。」
ラバボー:「姫さまも、元気なくなったぼ〜。」
コメット:「ううん、だいじょうぶだよ!」

二人は星のトンネルを使って駅前歯科クリニックへ向かいました。

コメット:「このビルの2階が歯医者さんだね、あれ!
      ネネちゃんどうしたの?」
ネネ  :「ネネちゃん、やっぱり歯医者さんコワイよ〜!」
コメット:「だいじょーぶ!ツヨシくんだって、ちゃんと治して
      美味しいもの沢山食べれるようになったんだもん、
      私と一緒に早く歯をスキっと治して美味しいもの沢山食べよ!」
ネネ  :「うん!ネネちゃんガンバル!!」
ラバボー:「さあ、二人ともガンバルぼー!」

歯科クリニックの中は治療用のイスが三つ並んでてコメットは真中、
ネネは奥のイスに案内された。
となりの手前のイスには見なれた顔が座っていた。

メテオ :「こ、コメット!」
コメット:「メテオさん!メテオさんも歯の治療にきたんだ。」
メテオ :「どうやらアナタもデキちゃったみたいね!」
せんせい:「は〜いコメットさん、お口を大きくあけてね。
      う〜ん、1番2番の間に虫歯がデキちゃってるわね!
      麻酔するからね、ちょっとチクっとするからね。」
コメット:「イタ!」(ウ〜ン!痛いのやだよ〜)
せんせい:「麻酔効くまでちょっとまててね。次はメテオさんの番よ、
      歯の根にウミがたまってるわ!
      歯に穴をあけてウミを吸い出すけど、麻酔があまり
      効かないかもしれないから我慢しててね。」

歯科の先生がそう言った瞬間、三人に緊張が走った!
そしてリューターのドリルでメテオの歯を削る音が響きわたる。

メテオ :「うがががががっががっがががっがああああ!!!!!!!!」
せんせい:「はいメテオさん、しばらく我慢しててね!」

メテオの絶叫は二人にさらなる恐怖をあたえた!怯えるネネ、
コメットも気が遠のく感じになった。

メテオ :「うがうがううぎゃ〜!!!!!!!」
ネネ  :「ネネちゃんやっぱりこわいよ〜!!」
コメット:「だ、だめ、私ももう耐えられない!!」

コメットはリューターの轟音の中、意識が無くなっていくのを感じた。
それからどれ位の時間がたったのか、コメットはふと目を開くと目の前に
歯科の先生がいた。

せんせい:「やっと目を覚ましたのね!あなたが寝てる間に治療終わらせたわ、
      来週型をとるからね。それと、連れの女の子先に帰ったわ!」
コメット:「はっはい、ありがとうございました。」

コメットはイスから立とうとすると身体に違和感を感じた。

コメット:「あれ!なんかヘン?自分で立ってる感覚がない!
      物つかんでも持った感じがしない!!」
せんせい:「局部麻酔のハズなんだけど、あなたは全身に麻酔が効いちゃう体質なのね!
      時間が経てば感覚も戻るわ。
      ではお大事にネ。」
ラバボー:「姫さま大丈夫かぼー。」
コメット:「へーきだよ、この感覚もおもしろ〜い!物にぶつかっても痛くないし。」

その瞬間だった、ラバボーは一瞬にあおざめた。

コメット:「ひゃあ!」
ラバボー:「ひッ姫さま〜っ!!!!!」

コメットが階段を踏み外して2階から1階へ転げ落ちた、
だがコメットは何事もなっかったかのように立ち上るのだった。

ラバボー:「姫さま!!!!!」
コメット:「大丈夫だよラバボー。」
ラバボー:「大丈夫じゃないぼっ!今一瞬足がひしゃげたように見えたぼっ!!
      急いで医者いくぼっ!!!」
コメット:「でもちゃんと歩けるよ!痛くないし、ススっと帰ろう。」

ラバボーには信じられなかった。だが結局帰ることにした。

コメット:「さーて!今日は何しようかな。それよりお腹すいたね!
      なにか食べて行こうか。」
ラバボー:「姫様、帰ったらお昼だぼっ。あれ!姫様、なんか銀行の方が騒がしいぼー。」

その時銀行から銃声が聞こえた!周りに戦りつがはしった。
そして拳銃を乱射しながら銀行強盗がコメットたちの方へ走って来た。

銀行強盗:「どーけどけどけ!どきやがれ!!じゃまだ、じゃまだ、じゃまだ!!!」
ラバボー:「うわ!姫様!!銀行強盗だぼおー!!!早く伏せるぼおー!!!!」
コメット:「きゃーっ!!!!!!」

銀行強盗はコメットをふっとばし車に乗り込み逃げ去って行った。

ラバボー:「姫さま大丈夫かぼ!」
コメット:「うん、シリ餅ついただけ、痛くないよ、ひゃーっ!こわっかった!!
      鉄砲持ってたよ。」
ラバボー:「最近、景気悪いから物騒になったぼー、パパさんに頼んで
      セコム入れてもらうぼー。」
コメット:「そうだね、早く行こう!」

コメットとラバボーは星のトンネルを通って藤吉家へ帰るのであった。
そしてコメットたちをツヨシとネネが出迎えた。

ツヨシ&ネネ:「コメットさ〜ん!お帰りなさ〜い!!・・・・あれ!?」
コメット:「たっだいま〜!あれ?ツヨシくん、ネネちゃんどうしたの。」
ラバボー:「そうだぼー、なにおどろいてるんだぼっ!」
ツヨシ :「こ、コメットさん!胸から血が流れてる!!!!!!」
ネネ  :「いやぁ〜!背中からもたくさん血が流れてる〜!!!!!!」
コメット:「えっ!!!!痛くなかったから気づかなかった!!!!!!!」」
ラバボー:「銀行強盗だぼっ!!銀行強盗の銃弾が姫さまをぶち抜いたんだぼ!!!!!」

その瞬間コメットは膝からくずれおちる。それをツヨシとネネは慌ててコメットを
受け止めた。
胸の傷口を手で抑えようとするツヨシ、手を血で染め必死で背中を抑えるネネ、
パニックをおこすラバボー。
そしてコメットの脳裏には思い出が走馬灯のようによみがえるのであった。

コメット:「ツヨシくん、ネネちゃん、楽しい思い出ありがと。景太朗パパ、沙也加ママ、
      お世話になりました。星国のお父様、お母様、先立つ不幸をお許しください。
      そしてケースケ、もう一度会いたい!」
ツヨシ :「コメットさん!コメットさん!!しっかりして〜!!!」
ネネ  :「コメットさん死んじゃヤダよ〜う!!ふぇ〜えええん!!!」
ラバボー:「姫さま〜!姫さま〜!!」

コメットは薄れゆく意識の中なにか懐かしい感覚がよみがえてきた。

コメット:(なんだろう、どこなのココ、誰かココにいるの?誰か私を呼んでるの?
      誰なのココにいるの。)
ネネ  :「コメットさん、コメットさん早く起きて!」
ラバボー:「そうだぼー、姫さま早く起きるぼー。」

ネネとラバボーの呼びかけにコメットは意識を取り戻しゆっくり目をひらくと
そこはもとの駅前歯科クリニックだった。

コメット:「あれ!?わたし生きてるの!」
ネネ  :「なに言ってるのコメットさん、ずっと気絶してたんだよ!」
ラバボー:「そうだぼー姫さま!ネネちゃんや治療中だったメテオさまより真っ先に
      撃沈されてるぼー。メテオさまはとっくに留子さんが、かついで帰ったぼ。
      姫さま、なにボーとしてるぼ。」
コメット:「ねえ!ネネちゃん私をチョっとつねってみて!!」
ネネ  :「えっ!いいの?」

ネネは申し訳なさそうにコメットの頬をゆっくりつねってみた。

コメット:「イタ!よかった〜!!今のは夢じゃない!!!」
ラバボー:「どうしたんだぼ、ヤブカラボウに。」
ネネ  :「ネネちゃん痛いのよくないよ。」
コメット:「いいえ、ネネちゃん、痛く感じるのは大事な事なの!コメットさん
      気を失ってる間にそれに気づいたの。」
ラバボー:「姫さまナンかヘンだぼー。」
ネネ  :「うん!コメットさんヘン!!ヘン!!!」
コメット:「じゃあ、あとでコメットさんが見た夢を話してあげるね。
      痛さを感じる大事な事がわかるから!」
せんせい:「はい!コメットさん、あなたまだ治療終わってないからお口開けてください。」
コメット:「は〜い!せんせいお願いしま〜す。」

歯の痛みも今は心地よく感じるコメットでした。


挿し絵;MZ1500さん